イタリア人が薦めるイタリア!

陽気な人々、美味しいパスタ、街じゅうが世界遺産! ステキなイメージ満載のイタリアだけど、本当のところはどうなの?イタリア人に聞いてみよう!

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イタリアでの、東日本大震災・原発事故報道は?

岡田直子です。

3月11日以来、イタリアで日本がどのように報道されているかをお伝えしようと思いつつ、多忙のため時間がとれずにいる間に、日本での状況がどんどん変化していきました。

当初メディアの関心は大きく、各新聞もTVニュースもトップ扱いの日々が続きました。例えば全国紙「レプブリカ」web版では、地震発生から3月19日のリビアへの軍事介入開始まで、日本のニュースが常にトップでした。衛星放送チャンネルSkyでは、日本の地震関連だけを報道するチャンネルをひとつ作ったほどだそうです。

イタリア人友人、とくに新聞記者の友人は福島第一原子力発電所について、わたしの言うことと、イタリアで報道されていることの温度差に非常に危機感を持ち、わたしがまだ「そっちの方が大げさなのよ」と言っていた頃(のちすぐに私たち日本人も、政府や東電は情報を隠している、ということに気づくわけですが)から「君たちは情報統制されている」と言って、スカイプでイタリアのニュースで言われていることを実況中継してくれたりしました。

わたしに危機感を持たせる目的は、心配してくれるあまり、一刻も早くローマに避難して来い、ということだったのですが。

イタリアでは水素爆発(第1号機3月12日、第3号機3月14日)直後から、フランスの専門家などにより、今思えばかなり詳しく的確な分析が報道されていたと思います。かなり早い段階、水素爆発の直後からすでに「コントロール不能になっていて、放射能ダダ漏れになっているはずだ」とあちらの報道を毎日のように伝えてくれるイタリア人友人から言われ、その時はわたしもまだ「また大げさな。すぐに事態も回復して、大事にならずに済むって」と思っていたのです。

その後、4月になって事故がレベル7に引き上げられたとき、原子力安全委員会が「大気への放射能放出量は3月15〜17日の時点でレベル7に相当する量が放出されていた」と発表し、彼ら(イタリア人たち)の言っていたことが当たっていたことがわかったわけです。

たくさんの報道がなされ、在日イタリア人たちもブログなどで情報を発信しています。

淡々と事実を羅列して報道している記事は普通なので置いておいて、いくつか目を引いたものを挙げますと、驚いたのはレプブリカ 紙3月20日付の記事「Tokyo capitale in agonia "Qui non vivremo più"(東京、死期の首都『ここにはもう住めない』)」。

これを読んだ、東京に来たことのあるローマの友人が驚いて「東京が死の町になってるってホントか?!400万人が避難?!東京がそんなことになってるなんて耐えられない!」と悲痛なメールを送ってきて、「は?」と思ってこの記事を読んだわけですが、


「東京は断末魔の町」        「道を歩く人もまばら」
「3日前からゴミは回収されずに道端に積み上げられている」
「3月11日以前に製造された加工食品は入手不能、あっても価格は7倍につりあがっている」
「1週間で不動産価格は東京で30%、福島で70%下がり 、大阪・京都・神戸では40%上がった」


という記述の数々に、わたしは日本に居て東京の友人達とはこのところ特に密に連絡をとりあっていたので「うーんそんなことはないと思うんだけどなー…でも自分の目で見てないから断言できないしなー…」と微妙な感じになっていたわけです。このあたり、東京はどうだったのですか?>マスヤマさん

(桝山コメント)現象をひとつひとつ取れば、電車が動かなかったから”人もまばら”だったし、”ゴミも回収されず”、ごく一部で食品の高騰や、不動産価格の暴落(という報道)もあったかもしれません。ただ、どう考えても”断末魔”では無かったし、”400万人が避難”は、完全な事実誤認ですね。東北全体で、最大時に”40万人が避難”したことのケタを間違えたのかな?(コメントここまで)


またこの記事はタイトルがセンセーショナルなのでびっくりするのですが、通常は新聞記事はタイトルだけ専門につける人がいて、執筆した記者がつけるのではないんです。

レプブリカ紙ではその後も、大きな余震があったり、原発で出来事があるたびに日本がトップに躍り出ました。ここ数日はもう一面から消えており、国際面でもかなりページをスクロールしなければ日本関連の記事は見つかりませんが、東電から発表があった日や何か大事な動きがあった日は、記事が出てきます。

「Apocalisse in Giappone」というタイトルで津波や地震の写真を集めたページもあります。「Apocalisse」は英語のアポカリプス、「黙示録」ですね。つまり「世界の終局」というニュアンスです。

それから、すごいなと思ったのは、各原子炉の現状のわかりやすい図、状況進展のたび随時アップデートされていること。「Reattore」=「原子炉」、「Reattore 1」なら「1号機」。そこをクリックすると現在の状態の記述が出ます。

あと、日本のほかに、(アメリカでもいたようですが)イタリアでも「これは天罰じゃ」と言った人がいます。日本でも報道されましたが、CNR(Consiglio Nazionale delle Ricerche=国立研究会議)という、科学界の権威的組織のロベルト・デ・マッテイ副会長が、東日本大震災について「神の善きご意志のしるしである」と発言し、各方面から非難を浴びています。


CNRという組織は科学界の権威的存在ですが、記事によるとデ・マッテイ氏は2009年にアンチ・ダーゥイン説の会議を主催したりして、組織内でも異色の存在のようです。

CNR内外で「このような思想を表明する人間がこのような重要な組織を代表することはできない。組織を世界中の笑いものにしてしまう」という意見があり、辞職を求めるオンライン上の署名は4月22日現在1万4千人を超えています。


それにもひるむことなく、デ・マッテイ氏はこの発言は、1911年マッツェッラ大司教がメッシーナ(シチリアの町)地震(1908年)に言及した記述の引用だと主張。そしてローマ帝国の滅亡はホモセクシャルたちのせいだとも(ものすごくはしょっていますが、イタリア語読める人は詳細をここで読んでください)。

さらに、メッシーナの地震は「無神論者たちへの罰」、ワルシャワの地震は「(町で行われていた)中絶に対する罰」とたたみかけています。


一方、この件についてのバチカンからの見解と思われるコメントがありました。

「罪人と無実の人を等しく襲う地震・ハリケーンやその他の災害は、神の罰では決してない。その反対を唱えることは、神と人間を冒涜することである。しかし、それらは警告である。この場合は、科学や技術だけがわたしたちを救うのだと思い違いをすることに対する警告である」

これは4月22日、ローマ法王列席のもとサンピエトロ大聖堂で行われたキリスト受難をたたえる礼拝において、ラニエーロ・カンタラメッサ神父により説かれた説話の一部であり、事実上デ・マッテイ氏の一連の発言への言及ととらえることができる。とレプブリカ紙は結んでいます。(岡田直子)

*下の写真と本文は、関係ありません。

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投稿情報: Masu | 2011/04/30 14:11 カテゴリー: 311震災・原発 | 個別ページ | コメント (0)

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東日本大震災とイタリアの関係?

サイト管理人の桝山寛です。前回の更新が、2月24日ですから、2か月以上も間が空いてしまいました。予定では、ローマのお薦めポイントなどを、イタリア在住日本人やイタリア人に聞いてみようという、このサイトが本来イメージしていた、コンテンツをアップすることになっていました。

2011年03月11日、私は東京、岡田直子さんは京都に居ました。幸い、どちらにも直接の大きな被害はありませんでしたが、”イタリアの旅行ガイド”的な文章をアップする時期ではないと判断し、更新を中止しました。

その間、イタリアでは、日本の震災・原発事故について、どんな報道があったかは、次の記事で、岡田さんが報告してくれる予定です(4月28日アップ予定)。

ここでは、”イタリアについて書く”という本サイトのテーマから離れますが、この時点で書いておきたいことがあります。

私がこのサイトを始めた大きな理由は、ここにも書いたように、日本が、これから”量的な成長より、質的な充実”を目指すべきではないかという考えとともに、それにはイタリア人の生活スタイルがヒントになるのでは、という発想があったということです。

福島県や近隣の地域はもちろん、福島第一から230km離れている東京で、事故から一ヵ月半経った今でも、放射性物質の影響が心配されています。といっても、実際に”健康に害があるかどうか”は、実は、本質的な問題ではないと、私は思っています。

タバコならば、”健康に害があるとわかっている”上で、納得して吸ったり、禁煙のエリアを設けることで、ある程度、社会的な受容がなされています。

一方、今回の原発事故は、”すぐに、避難しなければならないレベル”と、”普通に生活していても大丈夫なレベル”との間で、”誰もが確信を持てない”状態です。権威ある科学者も、何千万人の視聴者を持つ大メディアも、今度ばかりは、信頼を失っています。かといって、大した根拠も無いネット上のセンセーショナルなデマまがいに、いちいち反応する気にもなれません。

この、日常生活をどう送るべきかについて、数千万人が”確信を持てない状態”にある、ということこそが、最大の問題だと、私は考えます。

そして、仮に、状況が今以上悪くならないとしても、一部の物質の放射能は、10年経っても、100年経っても、無くなるわけではありません。つまりこれは、単純な電力供給についての問題ではなく、広く、長期的な意味で、生活スタイルをどう選ぶかという問題なのです。

イタリアでも、原発に対して、色々な意見があります。おりしも、今日、ベルルスコーニ首相の”福島第一原発について「原発建設を認めるべきではない場所に、原発が建てられた」”という発言が伝えられてきました。

私自身は、原発推進派ではありません。専門家ではないので、数年かかるか数十年かかるかは、わかりませんが、現存の原発は停止させ、原発以外の割合を増やすべきと考えます。理由は、仮に、今回のような事故が、1万年に1回しか起こらないとしても、また、極論をいえば、放射性物質が、ほとんど健康に害が無いとしても、上に書いたように”日常生活に確信を持てない状態”が、人為的な事故によって、何百年も続くようなことは、もう止めた方がいいと思うからです。

もちろん原発だけではなく、戦争や貧困など、”日常生活に確信が持てない状態”をもたらす要素は、他にもあります。ただ、それについては、歴史からの学びもあるはずですし、基本的には”減らす方向”で、国際社会のコンセンサスがあると思います(絵に描いた餅だとしても)。

本サイトで、これ以上、原発うんぬんの話題を、私自身が書くことはしません。上記以上の意見が、あるわけでもありません。気にしたいのは、その先です。脱原発を語ると、”電力が圧倒的に不足します”、”GDPが激減します”という反論が出ます。そんなことは、充分承知です。私の本職はファンド・マネジャーですから、経済は長期的に”プラスサム”であるのが望ましいことは、知っているつもりです。

では、電気が今の半分しか使えないとしたら、一人あたりのGDPが半分になったとしたら、いったいどうなるのか?それは、”日本の終わり”なのでしょうか?

電気はともかく、一人あたりGDPが、日本のちょうど半分なのが、イタリアです。そのイタリアには、どういう問題があるのか?そして、どういう楽しさがあるのか?それが、当初からの本サイトを通底するテーマであり、記事を書き、編集する際の基本的な姿勢です。あらためて、この時期に、自戒も込めて。(桝山寛)


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投稿情報: Masu | 2011/04/27 07:36 カテゴリー: 311震災・原発 | 個別ページ | コメント (0)

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イタリアは混沌の最終段階?

岡田直子です。1月中旬から2週間弱、仕事でローマにおりました。現地で大流行中だったインフルエンザをしっかりもらい、40度近い熱が何度も出て、寝込んだ日が何日もありましたが、友人達に会い、街を歩き、新聞やテレビを見ていました。今回ローマで感じたのは、イタリアは大混沌期にあり、それが最終段階に来ているということです。

昨年からメディアを賑わし、政治機能を停止状態に追い込んでいる、ベルルスコーニの未成年買春スキャンダル。その相手は一人や二人どころではなく、何千万円単位の巨額の現金が渡り、車や宝石などがプレゼントされ、捕まった女性に対しても首相の権力を濫用して釈放させるなど、ここまでやってまだ「辞めない」と言っている。もし日本で菅首相が同じことをしたら間違いなく即日辞任だと思うのですが・・・日本、辞め過ぎ、イタリア、辞めなさ過ぎ。喧々諤々議論するだけで辞めさせることすらできない、議員たちと国民たち。わたしには「不思議の国」に見えます。

さらに驚くのは、このケースはどうみてもモラル的にアンコレクトなのに、首相を擁護する人が少なくないこと。ベルルスコーニは自分の周りの人達にはしっかりと「甘い汁」を吸わせていると言われます。首相が失脚したら自分も困るので、必死で擁護しているのでしょう。エジプトで革命が起こり得たこととの差は、それではないでしょうか(ムバラクは周りの人や国民にも甘い汁を吸わせることを怠った)。

かたや国民的企業フィアットの社長セルジョ・マルキオンネ氏は「イタリアは生産性が低い。イタリア人はポテンシャルを持っているのに活かしていない。その証拠にイタリアに投資しにくる外国の実業家が一人も居ない。外国へ工場をつくることも考えている」と発言して大問題に。ずーっと議論していても自分の生活にはとりあえず影響はない政治家達や、デモがあったら「とりあえず行って文句言っとく」学生達と違い、実業家たちはもっと冷静に状況を見ていて、いざとなる前に即行動に移す用意があるということでしょうか。

この

1) 「何も変える気がない」
2) 「とりあえず国や政治家に文句言っとく」
3) 「社会の動きも見るが、あくまでも自己判断・自己責任でどんどん行動していく」
3種類の人達の分化が、個人レベルでも、どんどん進んでいるように思います。

そんな中、ベルルスコーニ首相の初公判が4月6日に決定。

また今までのように逃げ切れるか、それとも総選挙まで展開するか、総選挙になったとしても彼に変わるリーダーは出てくるのか。いずれにせよ、イタリアが大きな山場を迎えることは間違いありません。(岡田直子)

  

投稿情報: Masu | 2011/02/24 16:50 カテゴリー: 岡田から見たイタリア, 政治 | 個別ページ | コメント (0)

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イタリア男性で料理ができないのは…

”イタリア男性ってどうなの?”(ここにも記事)への、岡田コメント

イタリア人男性は料理がほんとうに上手ですよね。わたしの知っているカップルの99%が、男女のうち男性が料理担当(お手伝いさんが料理するのでなく、男女のどちらかが料理するような家庭では)。それも週末だけなどではなく、毎日です。母親が腕によりをかけてつくる料理で育つので、舌が肥えるのも当然。イタリアのマンマの料理ってほんっとうに美味しいですもんね。もともと上手なうえに、愛情がたっぷり入っている。

そしたら美味しいものしか食べられなくなるし、好奇心旺盛な彼らだから、自分でやってみたくなるのかな。

男性の料理は女性のそれとまた違い、ダイナミックさとこだわり、妙な繊細さがあって、わたしは大好きです。彼らが凝りだすとそれはすごい。女性とまた違ったセンスがあります。

毎日するかどうかは別にして、料理ができない、というイタリア人男性はいままで一人しか見たことがない。それは最初につきあった彼。でも彼もその後上達しているかもしれませんね。・・・と彼の名誉のために言ってみた(笑)。たぶんしてなさそう。

初めて留学してホームステイしたのが、30代の若いカップルのお家でした。ご主人はほんとうに奥さんに優しくて、しかも頼りがいも行動力もある。奥さんは目の大きなはっきりした顔立ち、腰まで波打つ豊かな黒髪の、典型的地中海ゴージャス美人。芯が強く太陽のように明るく、ご主人の強い愛情を一身に受けて、安心して外の世界で自分の仕事で活躍できる。

ご主人が毎日つくる料理は、これがもう何から何まで美味しい。彼のカルボナーラは絶品で、わたしの大好物がカルボナーラなのは、この時の刷り込みのためです。

男性が女性を守り、愛情を惜しみなく注ぎ、女性が生き生きと輝く。自分の愛情のおかげで女性が輝いていることが、男性は嬉しい。この二人のカップルとしての姿は、イタリアに来たての私に強烈な印象を残しました。

 男が男であることを、女が女であることを楽しむ。それを存分にやっているのが彼らですね。(岡田直子)

投稿情報: Masu | 2011/01/14 17:45 カテゴリー: イタリアの男性, 岡田から見たイタリア | 個別ページ | コメント (0)

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イタリア人男性ってどうなの?(伊在住日本女性篇)

長澤 愛さん(メディア系会社勤務・30代、乙女座、独身)

Ai

1) 日本人女性は、イタリア人男性について以下のようなイメージを持っています。

「女性に優しい ・オシャレ! ・人生を楽しんでそう ・おおらかそう ・超肉食(草食系男子はいなそう)」 これについて、どう思いますか?

 いわゆる「女性に優しい」というのは自然にレディーファーストの習慣ができあがっているだけで、視点を変えれば女性に優しいのは日本人男性も同様だと思う。ただ、よく聞くのは日本人男性の優しさにイライラする、という日本人女性の話(あくまでも彼らの空間内での話だけれど)。

自然体で空間にとけ込んでいるからイタリア人は自分をアピールするのがうまいので、女性に優しくしていると思われやすいんじゃないかな。

これは自然なことなので別に文句はないけれど、残念ながら女性に優しくする = 同等に扱わない、というのはイタリア・日本共通していると思う。

人生を楽しんでいそうにみえるのは、時間に対する価値観が日本と違うからだと思う。常に(たまに意味もなく)仕事場で時間を過ごす日本人と比べると、ギリギリになって一生懸命、その時だけ集中して、しかも大きく評価される仕事ができるイタリア人は人生楽しんでそうにみえるかも。

逆に何もしていない人も多いから、実際どこまで人生楽しんでるかはわからない。大都市郊外の状況を見ると、どこの国に行ってもあまり変わらないような気になるのは私だけでしょうか。どこに価値を置くかで視点はかわってくるので、一概には言えないですね。

2) イタリア人男性の長所と思う点を3つ挙げてください。

 (みっつもないよーーー)

1. いい加減なことを言っても気にしない。

2. ごはんを作ってくれる人が多い

3. 美術館とか映画館とか特別なときじゃなくても行く気になってくれる

 

3) イタリア人男性の短所、ここをもっと直してほしいと思う点を3つ挙げてください。

1. 時間にルーズ

2. やきもち

3. いい加減なことを平気で言って問いつめると忘れた振りをする

 

4) イタリア人男性と日本人男性を両方見て、どう思いますか?

この年になって思うのは、もし日本人の男性と一緒になっていたら毎日ちゃんと献立考えてしっかりと家庭のことを考えていないと、女性失格だったのかな、ということ。そういう憧れる家庭に対する理想がイタリアと日本では違うから、少しぐらい違う状況になってもイタリア人男性はびびらない、臨機応変(これも長所の一つだね!)。

この二つのカテゴリーに対してどう思うかというと、型にはまったことが嫌いな私は、でも日本人なのであまりにもルーズなのはだめだから、ちょうど二つを足して二で割ったくらいの男の人がちょうどいいなーーーー。(回答になってない??) 

 

5) あなたが思う男性と女性の理想的なありかたは、どんなものですか?

(例:男が働いて女が家を守る、男女とも同じく働いてお互いの分野を敬う、等)

 男女とも同じく働いてお互いの分野を敬うのがいい!常に相手の興味分野にも関心をもち、相手がその分野で伸びるように助言ができるくらい広い心を持てれば(持ってくれれば)パーフェクトだよね。

  

投稿情報: Masu | 2011/01/14 17:36 カテゴリー: イタリアの男性 | 個別ページ | コメント (1)

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イタリア男性ってどうなの?(伊女性篇)

イタリア男性について、今度はイタリア人女性に聞いてみました。

フランチェスカさん(エネルギー系会社勤務・33歳、双子座、既婚、2児の母)

1) 日本人女性は、イタリア人男性について以下のようなイメージを持っています。

「女性に優しい ・オシャレ! ・人生を楽しんでそう ・おおらかそう ・超肉食(草食系男子はいなそう)=女性に積極的にアプローチ」 これについて、どう思いますか?

最後の項目を除きほとんど賛成です。「超肉食」はかなり誇張されていると思います!

 

2) イタリア人男性の長所と思う点を3つ挙げてください。

1. 美しい
2. 太陽のように明るく楽観的、陽気
3. 料理上手

3) イタリア人男性の短所、ここをもっと直してほしいと思う点を3つ挙げてください。

 1. マザコン
2. 虚栄心が強い
3. やや不安がち

 

4) 日本人男性についてどんなイメージを持っていますか?(日本人女子には、「日本人男性をどう思いますか?」)

個人的に知り合ったことがないので、判断材料がありません。

 

5) あなたが思う男性と女性の理想的なありかたは、どんなものですか?

(例:男が働いて女が家を守る、男女とも同じく働いてお互いの分野を敬う、等)

 相互の尊敬と信頼があるべき。カップルの両方が働くのは、家族や子供のケアと両立させるという前提のもとに、良いことだと思います。「男性から守られている」という感覚は、とても素敵なものです。でも表現の自由があると思わせてくれることが大事です。男性側にとっても同じことです。

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V.Lさん(イタリア人・OL・40代、双子座、独身)

  Vale

1) 日本人女性は、イタリア人男性について以下のようなイメージを持っています。 

「女性に優しい ・オシャレ! ・人生を楽しんでそう ・おおらかそう ・女性に積極的にアプローチ」 これについて、どう思いますか?

女性に優しいのは、 50代より上の男性のみかな…。お洒落で、人生を楽しんでるのは、その通り。おおらか…は、理屈の上、あるいは一般的にそうだということになっているけれど、実際は稀ですね。女性へのアプローチも、積極的というより”激しく”。

 

2) イタリア人男性の長所と思う点を3つ挙げてください。

 1. 女性を口説く能力

2. 好感度が高い

3. ファッションセンスが良い

 

3) イタリア人男性の短所、ここをもっと直してほしいと思う点を3つ挙げてください。

 1.     皮肉のセンスが足りない

2.     エゴイズム

3.     軽薄なところ

彼らが皮肉のセンスをもう少し持ってくれるだけで充分なのだけど・・・かなり遠い到達点だわ。

 

4) 日本人男性についてどんなイメージを持っていますか?(日本人女子には、「日本人男性をどう思いますか?」)

 唯一受けた印象は、深い優しさ。日本へは行ったけど、言葉ができなかったので残念ながら日本人男性と話す機会がなかったので、彼らの振舞いを観察するにとどまったの。

 
5) あなたが思う男性と女性の理想的なありかたは、どんなものですか?

 本来なら、ベースに、議論の余地すらないような平等さがあるべき。女性なら誰でも欲しいと思う保護は、父性という存在。それは人間が生来持っているものなのに、イタリア人男性は母性を求めるあまり、本来備えているはずの父性が消されてしまう。そして彼らは女性の陰に隠れ、すべてを女性に委託してしまう。

男性にガッツがないのよね。その結果、女性が不本意ながら命令したり状況を指揮せねばならない状況が続いているのよ。それが現状ね・・・

投稿情報: Masu | 2011/01/14 17:28 カテゴリー: イタリアの男性 | 個別ページ | コメント (0)

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イタリア男性は、ホントにマザコン?

サイト管理人のマスヤマです。”イタリア人男性について”を編集していて、まず思ったのは、日本女性ってイタリア男性に、すっごく興味があるんだなぁということ(笑)。

私自身は日本男性で、イタリア女性(男性も…)に、友人関係以上の興味が無いので、”イタリア人とつきあう”という発想が皆無だったのですが、日本女性は、実際には実行しないにしても、”いったい、どうなるんだろう?”というファンタジー的な意味で、考えること自体が楽しいみたいですね。

原則論からいうと、どんな文化でも”ステレオタイプ”というのはあって、国についてじゃなくても、九州男児は”一本気で、逞しい、酒豪(Wikipediaより)”とか、秋田には美人が多いとか、都市伝説の類から科学的に根拠のあるものまで、まぁ、色々です。話のネタとして楽しむ分にはいいけれど、当然のように”個人差”が大きいので、あまり、そのステレオタイプにとらわれるのもどうか?というのが、大人の態度かなという気がします。

それを前提として書くと、まず”マザコン”という日本語のイメージと、”母親思いの傾向が強い”という表現は、かなり違いますよね。マザコンとは、そもそも和製英語で、一般には”大人になっても、母親離れできない、ヤバい男”という否定的なイメージだと思います。もちろんイタリアにもそういう男性は居るんでしょうが、私が見聞きする限り、イタリア男性は”母親思い”ではあるけれど、別に”母親離れできない”という感じではありません。

つまり、”イタリア人男性はマザコン”という表現は、”イタリア人男性は、母親思い”と、読み替えた方がいい場合が多いかな、と思います。日本にだって、”母親思いだけれど、いわゆるマザコンではない”人、いっぱい居ますよね。ただ、イタリア人男性の方が、その傾向が強い、と。私は、そう見てます。

ひとつだけ、ウンチク系のことを書いておくと、カトリック教会では”聖母マリア”に対しる崇敬の念が強いです。イタリアじゅうのあちこちに”サンタ・マリア?◯◯”教会や聖堂があります。また、パリの大聖堂や大学名として、日本でも知られる”ノートルダム”というのは、”我らの貴婦人”という意味で聖マリアのことです。一方、プロテスタントでは、敬意は払うものの、カトリックや正教会ほど重視しません。詳しくはWikipediaなどを…。

イタリアで”母親”が重要視される理由のひとつには、これが確実にあると思います。イタリア人が、日常生活の中で、それを強く意識しているわけではありませんが…。(桝山寛)

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(上記記事への、岡田コメント)

「マザコン」のニュアンスの違いについては、まさにその通りと思います。

それでもやはり、イタリアの母親と息子の関係は、ある種特殊なものがあると思いますね。
母親が息子を溺愛し、息子が大きくなっても子離れできないケースがとても多い。
息子はそれに慣れきっているから、どんな女性を見てもまず母親と比較してしまう。

また聞きの本当かどうか不明確な話ではなく、その人自身の経験談として聞いたもののなかには・・・

・イタリア人男性と結婚した日本人女性。新婚当時、毎晩「きょうはうちの息子に何食べさせたの?」と姑から電話がかかってくる。

・同じくイタリア人男性+日本人女性カップル、同じ建物の違うアパートにそれぞれ居住。姑がしょっちゅうピンポンを押してやってくる。
「○×ちゃん(息子)の好物を作ったから~」と持ってくる料理やお菓子は、常に一人分のみ。つまり、嫁の分はなし。

・わたしの元彼の話。母親が急性の、結構重度の糖尿病に。退院後しばらくは数時間おきにインシュリン注射をする必要があった。
母親は全面的に息子に頼りきりで、真夜中でも息子が目覚ましをかけて先に起き、母親を「注射の時間だよ」と起こしに行き注射の道具を揃えてあげていた。
自己節制が大事な病気なのに、本人は全くその気はなく、この時とばかり息子に優しくしてもらえる状況を喜んでいた。
(トゲのある表現は、多分気のせいです:笑)(岡田直子)

 

投稿情報: Masu | 2011/01/14 17:10 | 個別ページ | コメント (0)

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NHK BS Hi でイタリア大特集

サイト管理人のマスヤマです。これを書いているのは2011年01月8日で、日本ではNHKのBS Hiで、”イタリア 7つの輝き”と題して、1月いっぱい、イタリア関連の番組を大特集していますね。私は、元々イタリア文化好きな上に、このサイトも始めたので、できる限り録画するようにしています。全部で100番組くらいあるそうなので、全て観るのは至難の技ですが…。

イタリア関連番組といっても、当然のように最新のものばかりではなく、数年前にNHKが制作したものや、海外で制作されたもの、数十年前の映画など、色々な時期のものがあります。番組の詳細ではなく、テーマや取材対象に関して、ざざっと見た印象は…

・ネタが、あまりにも限られているなぁ…でした。

BSとはいえ、数百万人を対象とするマスメディアなので、そういうものと言ってしまえばそれまでですが、”ルネサンス美術”、”(ポスト)モダン・デザイン”、”ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニなどが出る昔の映画”、”建築や景色の探訪”など、日本に置き換えていえば”フジヤマ・サムライ・ゲイシャ”+”ソニー・トヨタ・クロサワ”という感じで、”え?今だに、そんなイメージなの?!”という印象は拭えません。

もちろん、問題山積のイタリア経済や政治について、専門家が語り合うような番組は、”イタリア 七つの輝き”というテーマに合いませんし、視聴率も取れないでしょう。しかし、この番組群が”フジヤマ・サムライ…”的な、かたよった編成であることだけは、指摘しておきたいと思います。(余裕があれば、この点、イタリア人にも聞いてみるとおもしろいかも。>直子さん)

その上で書くとすれば、イタリアに関する番組、それも、いわゆる”バラエティの中でのひとネタ”ではなく、もちろん”低予算の中での創意工夫”でもない、良質の番組が、これだけ一気に観られるというのは、快挙だと思います。今日(8日)からの連休では、一部の番組の再放送もあるようですし、イタリアに興味ある方には、強くお薦めしておきます。

個人的には、ひとつの番組をじっくり観るより、多くの番組を”つまみ観”するのがよいかなと…。というのは、たとえばルネサンス美術・建築の話などは、ネタがかなりカブっているので、丁寧に観ていると”飽きてくる”のが早いと思われるからです。(桝山寛)

Nhk

投稿情報: Masu | 2011/01/08 05:49 カテゴリー: 日本で見られるイタリア | 個別ページ | コメント (0)

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ローマの”滞在税”、イタリア人はどう見る?

2010年12月23日、ローマ市で「滞在税」の条例が可決されました。2011年1月1日より施行されます。

この条例は、観光客が市内のホテルに宿泊する際、1泊につき1~3ユーロの税金が徴収されるというもの。課税額はホテルのランクにより異なり、また美術館等の入館料にも別途1ユーロの税金が加算されます。詳しくはローマ市公式観光サイトをご覧ください。

こう字面で見ると「ああ2~3ユーロか。たいしたことない」と一瞬思いますが、そうでもないのですね。たとえば4人家族が4つ星ホテルに4泊する場合、3ユーロ / 人x 4 x 4 =48ユーロ(約5,300円)が課税されることに。

住民以外の人が観光バスやテヴェレ川のクルージング、オスティアの海水浴施設を利用する際にも課税されます。オスティアは、ローマから南西へ車で30分ほどの海辺の町。夏は、駐車スペースやビーチに場所を確保するためには早朝に家を出なければならないほど、海水浴客でごった返します。

ローマ市はこの税により、年間約8200万ユーロ(約100億円)の税収を見込んでいます。

全国紙La Repubblica のこの件についての記事についているコメント(12月24日22時15分現在、395コメント)のほとんどが、批判的コメントです。

・ローマの恥だ!(この意見多数)

・自分たちの財政難を、観光客へ物乞いしてまかなうのか?ローマ市の経営能力欠如を、観光客にカバーさせるのか?この税金で足りない場合(足りないだろう。経営能力欠如は変わらないからだ)、次はどんな税金を「発明」するつもり?

・ローマはイタリアの首都である。つまりこの国の貧困の度合いを表している。

・ローマは世界中がうらやむ素晴らしい文化遺産を持つ都市で、観光客はこの国に大きな経済的利益をもたらしてくれる存在なのに、彼らを暖かく迎えないばかりか、ワナをしかけて彼らを遠ざけようとするのか?

・バカンス先からローマをボイコットしよう。(この意見多数)

・滞在税を導入する前に、パリと同じクオリティのサービスを提供すべき。ローマではバスを45分待つのはザラ、道は汚く、メンテナンスもされていない。工事が始まるときは祝うくせに、いつ終わるともわからない

・税を増やす代わりに、・公用車の数削減・大臣や閣僚(とその事務所)の数削減・議員の給与削減を考えたらどうだ(*)。

賛成意見には…
・ツーリストは行儀が悪い。お金を払って当然。(この意見多数)

・ツーリストのセレクションに繋がるので、良いことだ。つまり富裕層のツーリストが増え、質の良くないツーリストは来なくなるだろう。

…のようなものがあります。

「滞在税」はフィレンツェでも導入が検討中。また、東京では2002年から「宿泊税」が導入されています。

*参考:イタリアは公用車の数62万9120台、2位アメリカ7万2000台を大きく引き離しての堂々世界第一位。この数字の差をみるとどれだけ「ありえな い」事かがわかる。3位フランス6万1000台、4位イギリス5万5000台、5位ドイツ5万4000台、6位トルコ5万1000台、7位スペイン4万 2000台。日本は3万台。最下位はポルトガルの2万2000台。Panorama 誌 2010年5月12日付記事より(岡田直子)

ローマの名所、”トレビの泉”に集まる観光客↓。

  Fntn


投稿情報: Masu | 2010/12/25 04:08 カテゴリー: 政治 | 個別ページ | コメント (0)

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緊急取材!”伊首相・不信任案否決・ローマで学生ら暴徒化”

”イタリアの下院で、ベルルスコーニ内閣に対する不信任案が否決されました。しかし、その差はわずか3票。ローマでは怒った学生らが暴徒化し、警官隊と衝突しました”(テレ朝NEWS・サイトより引用)

 

桝山(マスヤマ)です。日本では、イタリア料理やルネサンス美術について話題になることは多いですが、現在の政治状況について、一般的なマスメディアで取り上げられることは、あまりありません。

今回のニュースは、滅多に無い良い機会だと思ったので、ローマ在住、イタリア人ジャーナリストのディエゴ・マラーラ(Diego Malara)さん(32才)に、メールでインタビューしてみました。

ただ、文中にもあるように、彼は”ウルトラ・アンチ・ベルルスコーニ”ですから、イタリア人の一般的な意見を代表しているわけではありません。ご承知おきください。それはともかく、急な依頼に(しかもプロなのにノーギャラで)答えてくれて、本当にありがとう!!>Diego 東京に来たらラーメンおごるよ!

 

Diego_m
Diego Malaraさん

”ベルルスコーニは、この15年間でイタリア人の価値観を完全に作り直してしまった”

マスヤマ:日本から見ると、ベルルスコーニはスキャンダルまみれで、悪い評判はよく聞くのに、長年支持を得ていて、今回もギリギリの支持を得たことが、不思議に感じます。

日本の首相(や首相候補)にも、似たような悪評が多いですが、実際は4年で5人も首相が変わるという結果になっています。ベルルスコーニは、どういう人達に、どんな理由で支持されているんですか?

ディエゴ:この質問にありきたりでなく、しかもウルトラ・アンチ・ベルルスコーニに見えないよう(実際はわたしはそうなのですが)正確に答えるためには、何ページも必要でしょう。できるだけ簡潔に説明してみます。中立な立場からの「イタリアの政治システム」の外部の観察者であるマスヤマさんの質問を、わたしの意見を説明するのに、そのまま使ってみます。

ベルルスコーニ氏は1994年以前(1994年は彼が政界に入った年)、既に彼の財政帝国を築きあげていました。不動産・銀行・出版社・メディアなどです。’94年以前は、ベッティーノ・クラクシ率いるPSI(Partito Socialista Italiano=イタリア社会党)との絆を利用して、間接的に政治に影響を及ぼすに「とどまって」いました。

その後ベッティーノ・クラクシは「マーニ・プリーテ」と呼ばれる構造汚職スキャンダルにおいて、有罪判決を受けました。「マーニ・プリーテ」は政治階層に決定的な打撃を与え、「セコンダ・レプブリカ」(第二の共和国)と呼ばれる時代を誕生させることとなりました。同時に、多くの逃亡犯も生み出しました。

ベルルスコーニ氏は、 政界への参入と同時に、極めて洗練された手管による「現実の構築」を始めました。ここでいう「現実」とは、社会的や政治的なものだけでなく、ポップカルチャーにまで及びます。この15年間の間に、彼はイタリア人の世界に対する価値観とビジョンを、完全に作り直してしまったのです。

ベルルスコーニ氏はイタリア最大のテレビネットワーク「Mediaset メディアセット」のオーナーであり、大手出版社「Mondadori モンダドーリ」や「Einaudi エイナウディ」、新聞「Il Giornale イル・ジョルナーレ」をコントロールし、政府のトップである首相として、国営放送RAIもダイレクトにコントロールしています。そして、これは15年続いているのです。

15年という長い間に、流すニュースを選び、情報をコントロールし、一貫して自分の政治的プロフィールとマッチする自らのイメージを流布させることで、彼は低いところから出発して徐々に支持者層を構築することに成功しました。要するに、自らの支持層を叩きあげて、強固なものにしていったのです。

それだけではありません。政策面では、彼とその取り巻き連中を司法府の介入から保護し(ベルルスコーニ氏については数々の裁判が係争中ですが、首相在任中は「守られて」います)、彼と彼周辺の非常に限られた人間たちの経済的恩恵を守り、批判する手段を持たない有権者の構築に役立つ(例えば学校や大学のカリキュラムの段階的な貧困化や、一般的に文化事業への支援がどんどん減っていることなど)法律や法案を施行してきました。

質問に答えましょう。ベルルスコーニ氏を支持しているのは、イタリア人たちです。ベルルスコーニ氏が彼らのために構築した現実でない別の現実を、長い間知らないイタリア人たちです。

 

マスヤマ:ディエゴさんは、今年夏に、私が”イタリアの文化政策”について取材させてもらったとき、イタリアの政治には希望が無く、海外に移住したいと臨む若者は多いと言っていたのが印象に残っています。”希望が無い”というのは、”民主主義が機能していない”ということですか?それとも、具体的に、経済、外交、財務などの政策に問題がある、ということですか?

若者と優秀な頭脳の国外流出は、事実です。イタリアでは30代の人間がキャリアを積む機会、あるいは単に自分の事業企画を最後まで遂行できるチャンスはとても低いのです。わたしは依然として、現在の状況が続く限り、イタリアには何の希望もないという意見のままです。デモクラツィア(民主主義)はデモス(民衆)が意識的にクラテイン(政府)を行使できなければ、機能できないのです。

現在はただ単に、市民おのおのに首尾一貫した自らの政治的(かつ倫理的)意見を形成できる可能性を保証できるような情報ツールと方法が、ないのです。


しかし、もしイタリアの大衆の大部分が目隠しをされ畜殺場へ向かう牛の巨大な群れに似ているなら、わたしが思うに、経済的・財務的問題や国の構造上の問題は、イタリア人の意識を覚醒させる最大のチャンスを表しています。政府が「危機は存在しない」と言う一方で、しかし自分の家庭では以前は請求書を払えたのに今は払えなくなっているなら、政府の言うことを疑い始めるでしょう。

 

”ベルルスコニズムとは、政治・闇稼業・詐欺の組み合わせ”

マスヤマ:今回の不信任案・否決に対する、ローマ市民の怒りを、ディエゴさんは共有しますか?ベルルスコーニの、どこが、不信任に値するほど問題なのですか?

先程の比喩に戻ります。あなた(畜殺者)が彼らをだまそうとしていると他の牛たちが気づく前に、どれだけの牛たちが殺されなければならないでしょう?もちろん、抗議行動の根底にある怒りの理由には共感します。しかし暴力を使うのは、絶望して必死な、やけくそな人達の戦略です。


強調すべきは、昨日のローマでの抗議行動の99%は非暴力なものだったということです。やはり十数人の乱暴な人間たちのやることが、何千人もの非暴力な人たちの行動よりクローズアップされるのです。抗議行動がけしかけた価値観に惑わされるべきではありません。

昨日起こったことについては、この件は外部からの見かけより、はるかに複雑です。例えば、「agent provocateurs」(挑発専門のエージェント)が彼らの中に潜り込み、暴力行為や被害を誘発したことが報道されています。

ベテランジャーナリスト・Curzio Maltese クルツィオ・マルテーゼ氏の証言「事故(暴力的被害)は「挑発者たち」によって誘発され、「挑発者たち」のことは警察も見て見ぬフリをしていた。警察は武器を持っていない学生たちのみをこん棒で叩きのめし、武装している学生は無視していた。「挑発者たち」は学生ではなく、この種のことに慣れているように見えるグループだった」

 出典映像(イタリア語)

ベルルスコーニ政権の政治的決断や戦略の肝要部分にはいまここでは言及しませんが、不信任が値するのはベルルスコニズムの方だと思います。政治・闇稼業・詐欺を組み合わせた、民主主義とはほど遠いそのおぞましい「modus operandi」(やり方)。


信任投票において議員たちの票を買収することは、民主主義的ですか?潔白でないように見える行為について説明を求める人に、あるいは違う意見の人に、無作法に野次るのは民主主義的ですか?
法の裁きに服従することを拒むのは、民主主義的ですか?

今日のイタリアに民主主義があるなどともし耳にしたら、信じないでください。むしろ、笑ってください。

 -----------

桝山コメント:どの国の人でも、特にインテリであれば、自国の政治状況を手放しでほめる人など、ほとんど居ないだろう(自分が政治家の場合は別)。それにしても、たった3票差で、首相の不信任案がギリギリ否決される、というのは異常事態だ。しかも、その首相はディエゴが書いているように、15年間もイタリアのメディアと政治を牛耳ってきた人である。

一方、4年で5人も首相が変わる国は、一見、イタリアと正反対のようだが、新聞・TVが同じ資本系列下にあり、そのトップが”自民・民主・大連立”の仕掛け人であるという状況(20年くらい続いている…)は、他のOECD諸国よりもイタリアに近いのかもしれない。

*急ぎの取材&翻訳ありがとうございます。>直子さん

投稿情報: Masu | 2010/12/15 22:28 カテゴリー: 政治 | 個別ページ | コメント (3) | トラックバック (0)

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