エノテカ 「Ai Tre Scalini (アイ・トレ・スカリーニ)」
(リンク先は、お店のウェブサイト英語版。トップページには、日本語対応してます風のアイコンもありますが、実際に用意されているわけではないのでご注意ください)
ローマの歴史的地区「モンティ」にある、ローマっ子たちには有名すぎる小さなエノテカです。いつも外の道路にまでグラスを手にした人たちが溢れてお喋りしています。
地元にしっかり根付いている、気さくなエノテカ。ワインの揃えもそれなりに良いし、店のスタッフも若くて元気良く楽しそうに働いていて、気持ち良い。毎日でも寄って飲んでお喋りして、気分がアガって出てこれるお店。
以前、勤めていた会社がこの近くにあったので、この一帯は何年も毎日通った地域です。あの頃のモンティは職人さんがたくさん居て、家具の修復工房や額縁屋さんなど、工房がたくさんありましたが、今はブティックやセレクトショップなどお洒落なお店にとって代わられ、すっかり様変わり…それでいて、石畳の道や建物を覆う蔦の緑など、昔と変わらないぞ!というこの場所の「意志」のようなものも感じられ、今でも行くたびにいろんな思いの交錯する場所です。(岡田直子)
桝山寛です(フォントの色を変えています)。エノテカ、というのは、もともと”ワインを貯蔵する蔵”という意味らしく、それが転じて、ワイン小売店やワインバー、レストランも、そう呼ぶようになったようです。日本でも、たまに見かける単語ですね。
直子さんのオススメということなので、2011年7月にローマに行ったときに寄ってみました。外観からして、いい感じですねー(上)。中央・下・右の、青い車の前、人が3人居る場所が入り口です。
イタリアでは、すべての飲食店の店内が禁煙なので、外に灰皿があり、寒い時期でも外で一服している人が居ることがあります。上の写真のように、常連風の客が入り口に座っていたり、たむろっていることも多いですが、全然気にせず、どんんどん入りましょう。入り口は、一軒普通ですが、ドア部分がとっても狭いので、ご注意を。
入ると、まず左にカウンターとキッチン、右にカウンター。奥がテーブル席。20人くらいで満でしょうが、立って飲み食いする人もけっこう居そうです。超広角レンズで撮っているので、広く見えますが、実際は小ぢんまりしたお店です。
プロセッコ(ヴェネト州の発泡白ワイン)を注文してみました。4ユーロ。自動的に、突き出しというにはちょっと多めな、”塩豆・プレッツェル?(正解は下記)・小さいパニーニ”が出てきます(1人で居ても)。
これは19時半くらいに撮ったものなので、まだ空いてますね。食事前の”アペリティーボ”という、軽い飲みの場の時間帯。実際、私も、この後、人と待ち合わせて食事する予定でした。
直子さんも書いているように、地域のコミュニティ・バーになっているようで、先客と後から来た客が、次々に談笑を始めます。といっても、別に排他的なわけではなく、一見でも、観光客でも、違和感無く過ごせると思います。
私は、一人で行って、帰りがけには、お店の人にタクシー乗り場の場所を聞いたのですが、英語できる人も居て、とても親切に教えてくれました。ちなみに、一番近いタクシー乗り場は、”Palazzo delle Esposizioni・パラッツォ・デル・エスポジシォーニ”
ローマは、どこに行っても観光客が居るイメージですが、この地区は日本人観光客が多く来るような場所ではないので、その意味では、地元っ子的なローマの雰囲気を味わえるのではないかと思います。ツマミのパニーニがおいしかったので、次回行く機会があったら、食事してみたい!
お店のFaceBookのページもありました。
住所:Via Panisperna 251, Rome, Italy 電話:+39 0648907495
(桝山寛)
(岡田・追記)上の写真で、マスヤマさんが塩豆と書いているのは、炒ったひよこ豆です。プレッツェル?とあるのは、タラッリというサクサクした食感の、クセになる「手が止まらない」系塩味スナック。オリーブオイルとラードが入っているので、けっこうお腹にたまります。
ちゃんとした食料品店で良いメーカーのものを買うと、それはそれは美味しいです。市場の南イタリア食材の屋台で は、いろんなバリエーションのものが売っていて、めちゃくちゃ美味しいです。いちばん美味しいのは、本場プーリアで食べることでしょうけれど…。
(岡田・追記2)ローマの中心部では、「Rione(リオーネ)」という区画区分が使われています。ウィキペディア(伊語)によれば、中世の頃からだそう。
ラテン語の「Regio(レギオ)」、イタリア語の「Regione(レジョーネ)」(地方、区域の意)が語源。英語でも「Region(リージョン)」という単語がありますね。
「モンティ地区」は「リオーネ・モンティ」となります。
現在、ローマ中心部は22のリオーネに区分けされていて、その第1リオーネがモンティ。位置は、中央駅であるテルミニ駅の少し南側(詳しい区分はこのサイトに地図アリ )。ローマで最も古い地域です。
via dei Serpenti (セルペンティ通り)からは、正面にコロッセオが見えることでも、この辺一帯の歴史が古いんだな…とわかります(距離は近いですが、コロッセオ自体は「チェリオ」という別のリオーネに属します)。
"トラヤヌスの市場”(Googleで、画像検索の結果)
古代ローマ(B.C.8世紀-A.D.5世紀くらい)〜中世(5世紀-15世紀)〜ルネサンス(14世紀-16世紀)〜バロック(16世紀末-17世紀)と各時代の名残が見られ、この狭い区域に、実に2,500年の歴史の変遷が見える形で残っているのです。ちょっとすごいですよね。
そんな豆知識を持ってこのあたりを歩くと、古代ローマ時代からのいろんな時代の人々の生活の息吹が、たしかに肌で感じられるような気がします。これが、古都ローマに身を浸していてゾクゾクする瞬間であり、醍醐味なのです(岡田直子)。
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