(”イタリア男性に10の質問”への、岡田コメント)
イタリア人男性は確かに「優しい」です。しかしそれは男性に限らず、女性もそうです。イタリア人は思ったことを相手に伝える能力=コミュニケーション能力が高く、感情表現が動作・言葉・雰囲気の全ての面で豊かです。
「イタリア人男性=女好き」のステレオタイプのイメージも、それによるところが大きいでしょう。日本人男性やロシア人男性が、道で美人をみて「おっ」と思っても口にあまり出さないが、イタリア人男性は出しちゃう。その違い。
イタリア人男性の良いところは、イタリア語で言う「Galante(ガランテ)」なところです。一語で該当する日本語の単語が見当たりませんが、「紳士的」+「女性に優しい」+「粋」を足したようなニュアンス。最後の「粋」がミソです。
イタリアも日本に負けず劣らず男性優位社会。だからこそ「女性は守られるもの」という通念が強い気がします。これも過去にブログで書いています。
個人的には、わたしは「女性にも男性と同等の権利と条件を!」という意味でのフェミニズムには不賛成です。過去にそれがあったからこそ、現代に生きるわたしたち女性がいま享受できている自由度があるのだから、感謝の念を抱きます。あの時代には必要な運動だったと思うし、立ちあがった人達はすごいと思います。でも、男性と女性で肉体・精神的差異があるのは絶対的事実。ならそれを受け入れて、その上でお互いの弱いところは補完しあい、良いところは活かす方がよほど生産的と思います。
女性は共感力や細かい気配りに長けているし、男性はより体力的に優れダイナミックさを持つ。肉体的により強い男性が、より強くない女性をサポートするのは合理的だし、女性は違う形で男性をサポートできます。要は、それをよりためらわずにやっているのがイタリアだということです。
通りすがりに「なんてきれいなんだ」とつぶやくように言われたり、レストランで席に見知らぬ男性がやってきて「あなたはなんてきれいなんだ!」と言うような、そういうのは単なる「感想」で「ナンパ」とは違います。
単なる感想であっても、それを言葉にして相手に伝えると、言葉に乗せて何か見えないものを相手にプレゼントすることになりますよね。そこがイタリア人の素敵なところ、「言葉に乗せた愛情のやりとり」だと思います。
わたしが思うには、女性は「ナンパ」されなくなったらホンモノです。安易に声をかけられたりしているうちは、「軽い女」「自分に自信がなく引っかけやすい女」オーラを出して歩いているのかもしれません。ちゃんと手順を踏んで礼儀正しくアプローチしてくれる男性が周りに増えてきたとき、ああやっとわたしも「女性」として成長したな、と喜ぶべきでしょう。(岡田直子)
↓ナポリ近郊の小さな町Bisaccia(ビサッチャ)で。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。