中目黒ラジオは”サボったから”できなかった?!
桝山:こんにちは、この取材をしているのは2010年11月ですが、毎年お正月にある”中目黒ラジオ”が今回はナシということで、その理由からうかがいたいのですが…。
美島:単に、サボっちゃったっていう(笑)。
桝山:えーっ!(笑)誰が?
美島:小山田君が…(笑)、”ちょっとネタが~っ”て言ってたような気が…(笑)。
桝山:こ、これ書いていいんですか?
美島:わかんない(笑)。まぁ、サボったってことで。
P008 3Dスタジオ(2006年6月)
桝山:やりたくなかった訳ではないけれど、日本に居ない時期も多かったし、間に合わなかったと…。
美島:そうですね。 今年は夏の中目黒ラジオも、海外が多かったりで、ちょっと出来なかった。
桝山:そうですよね。何で僕がフォローしてるんだろう(笑)。中目黒ラジオの作業は 長年やられているんで、ある程度パターン化していると思うんですけれど。どういう形で始まるんですか?
美島:まず、小山田さんがアイデアを出して、それに合うような映像を…
桝山:探す?
美島:そう。NHKからビデオが大量に届くんですよ。
桝山:じゃ、小山田さんのアイデアに合わせてネタを探す”人間グーグル”みたいな人が、NHKの中にいるんですか?
美島:いや、NHKアーカイブでタグ(キーワード)が全部ついているのかな。そのアーカイブのタグでもって、検索して…。
桝山:”村の祭りのなんとか…”とか?
美島:そうそう。そうすると、その映像やニュースとかをダビングして持ってきてくれるんです。
桝山:それが、時折mixiの美島さんページに写真を載せている素材ですね?
美島:そうそう。VHSとかですね。
桝山:じゃあ、たとえば今年なら谷啓さんが亡くなったのでクレイジーキャッツがあって…、みたいに、いわゆる放送作家的なことをやっているわけですよね?
美島:そうです。
桝山:じゃ、その台本に合わせて使えそうな素材をダーッと見たり聴いたりするわけですか?
美島:はい。ダーッと見たり聴いたりします。2日か3日かかけて。
桝山:小山田さんと2人で?
美島:うん。量が多いので、何が何だか、訳がわからなくなってきますよ(笑)。
桝山:私も昔、ほんのちょっとですが、映像やラジオの仕事していたんでわかりますが、それはかなり”編集監督”的な作業ですよね。
美島:そうですね。
桝山:放送作家的な部分とアリものを編集するという。
美島:ええ。
桝山:その時の美島さんの役割は?
美島:映像を見ながら、使えそうな言葉やフレーズが出てきたら、全部ハードディスクの方に音声取り込んで、ストックしておきます。
桝山:音楽作るときは、美島さんが結構クリエイティブな部分での意見を言うって、言われてたじゃないですか。中目黒ラジオの時には言うんですか?
美島:いや、”これ、面白いね”ってなったら、”RECボタン”押しとくみたいな。
桝山:ああ、それはどちらかというと、スタジオのエンジニアさん的なことですかね。
美島:そうですね。
桝山:じゃあ、結構小山田さんが一人でやっているんですね。中身については…。
美島:そう、そうですね。テーマを選んだり。
桝山:NHKの人とかは あんまりかかわらない。
美島:関係ないですね。
桝山:で、最後に”こんばんは、小山田圭吾です”というナレ録りをすると。
美島:そうですね。ナレーション。
桝山:それはどこで?
美島:それは、いつもやってる中目黒のスタジオで。
桝山:あ、あそこでナレ録りを?NHKじゃないんだ。
美島:違う違う。全然違う。
桝山:あのナレーターさんは、決まった人がいるんですね。
美島:そうですね。XXさん(非公開だそうです)という方が…。
桝山:全体で、1ヶ月くらいかかる作業ですか?
美島:いや、そんなには。1週間くらい。
桝山:そっか、詰めてやりますからね。
美島:うん。もう、素材が集まれば、あとは並べ替えとかの作業なので、それほどかからない。
桝山:なるほど。
美島:やっぱ、素材を選ぶのが大変なんですよ。
桝山:わかりますわかります。プレビューがね。
美島:そうそう。
桝山:まあ、同じ素材ばかりを見るわけじゃないから、目先は変わってゆくけれども、これをどういう風に合わせようというのに、正解はないですからね。
美島:だから、かけたい曲がはっきりしていても、その曲につながる素材を見つけるのが結構大変ですね、いつも。
桝山:まあ、こじつけ(笑)。
美島:こじつけ(笑)なんですけど(笑)。
桝山:で、中目黒ラジオは今回はやらない。でも、2011年はやる可能性は高いと。
美島:やるんじゃないですかね。うん。
桝山:ま、保障はできないけど。
美島:うん(笑)。
コーネリアスの新アルバム、どうなってますか?!
桝山:でも、来年はコーネリアスとしてのアルバム制作も、ファンとしては気になるところですが…。もう前回の”Sensuous”(2006)からまる4年…。
美島:うん。制作の時点から考えると5年以上経っちゃってるから。ちょっと、ヤバいんじゃないかとと思ってるんだけど(笑)。2011年から作り始めても、出るのは2012年になっちゃいますからねー。
桝山:えー、これは、あくまでも”美島さんから見て”でいいんですけれど、小山田さん本人は、”そろそろ、アルバム作りたいな”と思うものなんですか?それとも、”大人の事情”がなければ別にいいや、っていう?
美島:あぁ、わかんない。どう考えているのか、ちょっと見えないとこですね(笑)。
桝山:でも、今の話は書いていいんですよね?少なくとも美島さんは”もうそろそろ作らないといけないのでは?”は思っていると。
美島:(キッパリと)ええ、僕は思っています。常に思っています!
桝山:そこ重要だ(笑)。みんな”そろそろ”と思ってますよね。世間的には…。
美島:じゃないですかね〜。
桝山:そろそろ作り始めているんだろう、みたいに思ってますよね。
美島:ん〜(困った顔)。
桝山:でも…、まだ作り始めてないんですよね…。
美島:ないですね〜。
桝山:”Sensuous”のアルバムの中では、かなり初期に作り始めていたという”Wataridori”みたいなことは…。
美島:うーん。ないかな〜。
桝山:そっかー。じゃあ、これ以上追求しないようにします(笑)。まぁ、いずれにしても、この取材は毎月コンスタントにさせていただく予定なので、発表いただける段階になったら、美島さんから根掘り葉掘り聞き出したいと思います(笑)。
美島:まぁ、発表できる範囲なら(笑)。
桝山:こうして、色々話をうかがうと、ホント、いわゆる音楽制作の仕事意以外でも、小山田さんは美島さんと2人チームでの作業が多いんだなというのがわかります。ご本人達は当たり前だと思っていても、見てる側からはわかりませんよね。なんか別のチームがあるのかなとか…。
美島:いやいや、もうツァーで使う映像とかも…、まぁ、撮影はジック(辻川幸一郎さん)とかがやっているけれど。最後にライブ用に曲順並べ変えたりとか。そういうのは全部僕がやってます。
P009 ツァー用のカラーバー画像を制作する美島さん (2007年7月)
桝山:その意味では、ホント、音楽的な部分もあるでしょうけど、美島さんが居ないと、コーネリアスの制作作業は、相当大変ですよね。
美島:俺が死んだら、データがどこにあるか多分わからない(笑)。
桝山:(笑)いや、そういう問題じゃなくて(笑)。データを探すのは、多分、時間かければできると思うんですが、制作、プロダクションの今のやり方はできなくなるじゃないですか。ツァーとかも かなり困るんじゃないんですか?
美島:まぁ…そう…ですかね〜。いやぁ、小山田さんとは、つきあい長いですからね〜、どんどん深いところに入っていっちゃうんですよ…(笑)。
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